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雨、風、星、朝 谷川岳(前編) [山歩き(小屋泊)]

今回は、だるたさんと谷川岳に行ってきました。

谷川岳は標高が2000mにも満たない山なのに、森林限界を越えた岩と高山植物の景色はまるで北アルプスです。
ロープウェイを使えば標高差は500m足らず、コースタイムも4時間半とお手ごろ。

そのため軽装でのハイカーも多いのですが、気象の厳しさもアルプス級ですし、高尾山というわけにはいきません。
自分も1週間前から気象情報をにらんではやきもきする日々です。
予報によると、ふもとのみなかみは悪くない天気でも、上では北風が強くて雨も予想されています。うぬぬ。

日帰りで来る人のほうがずっと多いこの山ですけど、今回は山頂近くの肩ノ小屋で一泊する行程です。
山の上でのんびりしながら、夕日や星空、朝日と早朝の澄んだ景色を楽しめたらいいなあ。
微妙な天気も、午後から夜には回復する見込みです。

 

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だるたさんと水上駅で落ち合い、ロープウェイ駅へと向かいます。
途中、長い階段で知られる土合駅を見物。
ロープウェイで天神平まで上がってからレストランで腹ごしらえをし、リフトで天神峠に上がります。
この日はロープウェイがメンテナンスで運休に入る前の、最後の週末でした。

 

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雲間から日がさしたりもしているのですが、霧雨もぱらついています。
レインウェアのジャケットを着ておこう。

 

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さすがに上は寒い。
身支度を整え、カエルのげこげこ鳴くなか天神様にお参りしてから出発です。

前に来たときは天神平からの往復だったので、天神峠から合流点までの道は今回が初めて。
今の時期はまだ残雪があり、天神平側の道は数箇所の雪渓をノーアイゼンで横切る羽目になります。
短い区間ではありますが尾根道のほうがまだ無難だろうと思ってこっちにしました。

 

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道が水没してる。
こっちの道にも雪はあったし歩きやすくはなかった。トラバースがないとは言えどっちもどっちか。

 

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天神平からの道と合流したあとのちょっとした鎖場。
鎖を持つよりも岩に手をかけておくほうがいいくらいです。

 

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避難小屋でひと休み。登りはここからです。
風雨はまだたいしたことはありません。
木々の下を通るときに風が吹くと、雨だれがびしゃーっとかかってくるのがちょっと嫌。
さっきまでは青空もときどき見えていたんですけど、どうかなあ。この程度ならまだいいんだけどなあ。

 

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雨はやむどころかしっかりと降り続けています。
道は水が流れる川のよう。
場所によっては風が強く当たる所もあります。
いい加減観念して、レインウェアのズボンとザックカバーをつけ、カメラをザックにしまいました。
けっこう濡れてるので、もっと早くやるべきだった。

 

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晴れていれば景色がいいはずの、天狗の留まり場、天神ザンゲ岩といったあたりを通過します。
グローブはすでにびちょびちょ。手がかじかみそうです。
こんなこともあろうかと替えのグローブもあるのですが、そっちまで濡らすわけにはいかない。
今度、防水防滴グローブのいいのがないか探してみよう。

 

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肩ノ小屋直下の雪田に出ました。
前に来たときはアイゼンは要らなかったんだけど、今回見てみると記憶以上に傾斜があって雪も多い。
軽アイゼンを履いて登り出し(びしゃあー)見事に滑りました。雪がぐずぐずだ。
近くにはアイゼンなしでためらっている人々もいます。登れるかもしれないけど下りるのは危なかろうに。

 

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雪田の上に出てアイゼンを外すと、ガスのすぐ向こうがもう肩ノ小屋でした。真っ白でぜんぜん見えてなかった。
かっぱを脱いで袋にしまい、靴紐をゆるめて、小屋に入ります。

小屋の中で休憩している人もたくさんいました。
小屋番のご主人に聞くと、宿泊の準備がまだできていないから休憩室で休んでてくださいとのこと。
休憩室のほうはわりとすいていました。
持ってきたおにぎりでエネルギーを補給することにします。
だるたさんのお弁当がからあげ山盛りの豪華で、ちょっとわけてもらいました。

 

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休憩していた人たちが出発して行くと、うちらを入れて2、3組が残るだけとなりました。
火の使えるテーブルでだるたさんにお茶を入れてもらいます。ありがたや。

しばらくすると、隣の部屋に寝具が用意されました。
今日はここの部屋に4人になるようです。

外は依然として小雨と強い風。トイレは外にあるので、小屋から出るとまともに吹かれてとても寒いです。

 

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夕食ができました。
同室の方たちとおしゃべりしながらいただきます。
食後もそのまま、ビールやコーヒーを飲みながらご主人の話を聞かせていただきました。
今日も宿泊者たちに目撃されて心配されていましたが、必要な装備服装もなしにやってくる人が後を絶たないとのこと。
また山小屋のことをわかっておらず、夜間や深夜に電話をかけてくる人もときどきいるとか。

前の週にも、軽装の人が言うことを聞かずに難しいルートから下山しようとして、遭難したそうです。
エマージェンシーシート1枚持っておけば助かる場合があるという話もありました。
あと釣りの話とか、夜にぴかぴか光りながら変な飛び方をするやつの話とか。

ここは規模の小さい小屋で、ご主人がひとりで小屋番をされています。
定員は30名。(最近減ったそうです。)
多いときには予約の時点で断らせてもらい、また当日入ってくる登山客も、様子を見て余裕があればロープウェイ側に下山してもらうこともあるとのこと。

 

天気予報の時刻になると、みんなテレビに食い入ります。
今日は新潟側の天候の回復が遅れたので、ここの回復もずれるかもしれないとご主人。
でも明日は晴れるでしょう。夜が更ければ星も見えるかも。

消灯は20時半ですが、外はガスが濃いし明日も早いし、みなさんとっとと寝てました。

 

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ふと目が覚めました。
もぞもぞと窓の外に目を凝らすと、ぼんやりと赤い円盤が見えます。月が昇ってきてる?
隣のだるたさんが「星が見えてますよ」と起こしてくれたようです。(起こされたのをわかってなかった。)

枕元に用意してあったカメラを取り、かっぱを羽織って表に出ます。

すごい!さそり座だ!

 

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はくちょう座のデネブと、こと座のベガ。

空には雲も少なく、風も収まっていました。
フリースにかっぱでさほど寒くもありません。
だるたさんは流れ星をいくつか見てました。

そうだ、同室のお兄さんらに声をかけないと。カメラを持っていらしてて楽しみにしてるようでしたし。

 

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今夜は22時前に、月齢19の明るい月が昇ってくる日です。
まだ高度の低い天の川に月が被るので、天の川はよく見えません。
月の光で、地面に影が長く伸びています。明るい。

 

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正面は赤城山。
手前はみなかみの町で、右手奥は前橋のようです。

小屋から起きだして星を見に出てくる人の姿もちらほら。
自分らも1時間ほど楽しんでから、寝床に戻りました。

 

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3時半ごろ。
隣の部屋で出発の準備をしている気配で目が覚めました。

日の出はたぶん4時半ごろ。
ひとつ目の山頂トマの耳で見るために、かっぱを着て水とヘッドランプを持って、うちらも出発しました。
トマノの耳までは10分程度です。

 

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日の出前の空の色が好き。
雲がいい具合にあるのがまたきれいです。
山頂には誰もいません。小屋に泊まった人もそう多くなかったですし。
後から同室のお兄さんらが上がってきました。

 

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ぴかー。

 

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「忘れられない思い出…」

同室のお兄さんが、アイマスの雪歩さん(頭をあおいと挿げ替えてました)を連れて来てました。
「あおいは誰かが持ってくると思ったので」
うちのあおいと並ばせてもらいます。
この人たちもヤマノススメ好きだったのか。
隣室のグループからもちらっとそれっぽい会話が聞こえたりもしましたが、基本的にそういう話はお互いおおっぴらにはしていなかったので、今までわからなかった。

「雨の後で日の出が見れて、ヤマノススメと同じ展開になりましたね」
本当に!

 

 

 


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コメント 2

JUN

星空もいいですけど
刻々と姿を変える夕焼け空が大好きですww
by JUN (2015-06-14 23:40) 

ひさみね

夕空もいいですね!
雲があると、空に光と影の表情がまた。
by ひさみね (2015-06-15 21:09) 

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