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山、花、晴、壁 谷川岳(後編) [山歩き(小屋泊)]

今朝の谷川岳は、昨日の風雨が嘘のような晴天となりました。

すっかり日が昇って明るくなった道を、小屋まで帰ります。
おなかが減ってきた。
朝食は急がないので朝6時としましたが… 6時はやっぱりゆっくりすぎたかなあ。

 

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食堂を覗いたらご主人が、「朝食できますよ」と言ってくださいました。
やったー!

 

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おいしい。
あつあつのお味噌汁をおかわりしました。
食べてたらご主人が「白馬岳が見えてますよ、苗場山の切れ落ちているところから」と教えてくれました。
あのへんてこな形の山、苗場山だったのか。
確かに向こうに白い峰々が覗いています。同室のお兄さんがカメラを持って表に飛び出していきました。


他の宿泊者さんたちもすでに出発したり、外で準備をしたりしています。
うちらもゆっくり身支度をして、再び山頂へ。

 

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ひとつ目の山頂、トマの耳。
昼には混雑するこの山も、今は誰もいません。
先へと進みます。

 

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ツガザクラ。
トマの耳からオキの耳にかけては、高山植物の花をたくさん見ることができます。
いまだに、アカモノやツガザクラ、コケモモをちゃんと識別することができない。

 

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ホソバヒナウスユキソウ!
エーデルワイスの仲間です。
ここらへんの山にしか咲かない貴重な花で、霜が下りたような繊細さが人気。

 

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高山植物の代表格、ハクサンイチゲ。
きりがありません。

 

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もうひとつの山頂、オキの耳。
だるたさんと独占です。
やっぱり山の朝はいい。晴れてよかった。

 

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トマの耳と、そこからの尾根道が見えます。
左手にはロープウェイとリフトの駅も。
小屋のご主人が「今日は登ってくる人がたくさんいますよ」と言っていました。そうでしょうねえ。
混む前の山頂を楽しめるのも、泊まり山行のいいところです。

だるたさん曰く、「オキの耳の先に鳥居が見えた」とのこと。
行ってみますか。

 

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岩がちな道を進むと、立派な白い鳥居がありました。
富士浅間神社、奥の院ですって。
昔はここに古鏡が祀られていたそうです。
最近ここで見つかった古銭が、ふもとの資料館に展示されていました。
昔からこんなところに人が来ていたんですねえ。

 

小屋に引き返し、デポしてあった不要物をザックにしまいます。
ご主人の姿は見当たりません。片付けでもしているのかな。
「お世話になりました」と挨拶してからあらためて出発します。
小屋から返事が聞こえたような気がしましたが、気のせいでした。

 

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まず小屋の直下にある雪田を下らねばなりません。
アイゼンをつけます。
下りは登りに比べてもずっと滑りやすいのです。
一歩ずつ慎重にアイゼンを蹴り込みながら下ります。

…あれ?
傾斜の先に、小屋のご主人がいました。
スコップで、急な斜面にステップを切っています。
ステップは内側にV字になっており、ものすごく歩きやすくなっています。
これから大勢登ってくる登山客に備えているのでしょう。ありがたいことです。

斜面の途中で作業を追い越し、残りの短い区間はステップなしです。
「気をつけてくださいね」 「ありがとうございます」べしゃーっ。いきなり滑った。

 

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天神ザンゲ岩。
昨日は何にも見えなかった。

 

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振り返ると、遠くで雪道のステップ切りが終わったところでした。
これならアイゼンはなくても歩けるでしょう。とは言ってもそれはこうやって整備されているからで、基本的にはアイゼンを携行すべき時期なのは確かです。
望遠レンズで見るとご主人が携帯をいじっています。このしばらく後に、山の状況のツイートが更新されていました。

 

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天狗の留まり場。
天狗さんになった心地です。
速い人とはこのへんからすれ違うようになってきました。

今日は日差しが強くて風は弱く、暑くなりそうです。
直射日光を浴びると消耗が激しいし、最大の日焼け対策は肌を出さないこと。
ブヨなどのやっかいな虫も増えてきそうです。

 

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道を譲り合いながら岩場、鎖場を通過します。
混むと渋滞になるだろうねえ。
小屋のご主人から聞いた話では、天神平への道の雪渓は、いちばん歩きにくいところにロープを張っておいたので大丈夫とのことでした。
登り返しをしなくてすむし、違う道を歩くほうがいいから、そっちにしましょう。

 

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雪渓渡りが数回あり、道が切ってあったりロープが張ってあったりしました。
いちいちアイゼンをつけてはいられないので助かります。
落ちたら土合駅までダイナミック下山できちゃいそうです。


 

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天神平に戻ってきました。
今日の天神平は、観光客で一層にぎやか。
谷川岳のふたつの耳と、肩の雪田もよく見えています。

ロープウェイが整備で運休になる前の最後の週末に、晴れてよかったねえ。

 

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まだすいているロープウェイで下ります。
おみやげ屋さんでぐんまちゃんグッズを物色。
その後、ロープウェイから見えた山岳資料館に行ってみることに。

資料館の前からは一ノ倉沢へのハイキングコースが始まっており、指導員の方が観光客らに水の用意などを呼びかけていました。

 

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去年落雷で破損した山頂の標柱がこんなところに。
入口には昔ながらのキスリングザックが置いてあり、「背負ってみましょう」と書いてあります。
背負うどころか、こんなの持ち上げたら腰がやられてしまう。

 

その後谷川岳温泉に行って、汗を流し着替えてさっぱりしました。
露天風呂はよくある塀の中のお風呂ではなく、渓流の上で木立に囲まれています。
露天風呂からそのまま階段を下ると木のデッキがあり、木陰のデッキチェアにずいぶんと寝そべってしまいました。気持ちよかった。

 

最後に道の駅へ。
ここではクライミングウォールの体験ができます。
案外壁が高い。7~8mあるそうです。素で落ちても大丈夫くらいなのを想像してた。
インストラクターさんにハーネスをつけてもらいいざトライ。

 

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最初は垂直の壁を登ります。
どのホールドを使ってもいいのですが、マークがついているホールドがお勧めルート。
なんだよそんなのまであるなら楽勝じゃない?

そんなことぜんぜんなかった。過酷だった。
お勧めホールドですら、握りにくい形のが多いです。握力が足りない。
途中でもうだめだリタイアかと思ったら、いつのまにかゴールにいました。ふー。
酷使された手がぶるぶる震えます。
だるたさんが登っている間に何とか手を回復させないと。

体験では、この垂直の壁と、次にオーバーハングした壁を、それぞれ1回づつ登ります。
2回しか登らないのかー、ほんとにお試しだなーと思ってたのですが冗談じゃない。1回で限界が近い。
しかも2回目のは難易度がさらに上がる。
インストラクターの方に、必死でコツを教えてもらいます。

だるたさんも最初の壁をクリアし、いよいよ2回目。
筋力がもたない以上、時間をかけすぎないように登るしかない。
オーバーハングの壁では、握力だけでなく、上体を壁に引きつけておく腕力が必要になります。
腕が… きつい…。
途中からオーバーハングがさらにきつく、またホールドの形が意地悪になってきます。
必死で耐えましたがギブアップ。

自分よりはよほど筋力体力があるだるたさんも、やはり途中でギブアップ。仕方ない。
「これ、子供とかみんな登れるのでしょうか…」「登れないほうが多いですね」あっはっは。
なかなかいい体験でした。

道の駅には他にもいろいろ見るところがあるのであちこち回ってから、水上駅で解散です。
楽しかった。

 

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初日は雨でしたが、ある程度予想はしてたし、むしろヤマノススメが再現されたようでした。
星と朝日が見えて、2日目はすばらしい眺望の中歩けたのもよかった。
小屋はすいてて快適だったし、やっぱり山の夜と朝を楽しめるのがいいです。
下山後の温泉も当たりで、最後のクライミング体験もおもしろかった。
とても恵まれた山行でした。

 

クライミングウォールの腕へのダメージは重く、次の日はペットボトルの蓋を開けるのも痛かった。
ここまできついものだったとは…!

 

 

 


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