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流星群の極大日!仙丈ケ岳(後編) [山歩き(小屋泊)]

仙丈ケ岳、3033m、登頂!しました!
ひいはあぜえはあ、もう今日はこれ以上登らんぞ!

 

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目下3000m峰2峰目です!(いや富士山入れて3峰目か)
標高では立山の雄山3003mを抜きました。
高いなあ。もこもこの雲海がどこまでも続いています。
山頂はそんなには広くはない岩場。
湧き上がる雲さえなければ、360度遮るものは何もありません。

一段下に腰掛けて、隣の大仙丈ケ岳への尾根をスケッチしている父子がいます。
眼下には、藪沢カール内に立つ仙丈小屋が。いい場所に建ってるなあ。

 

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山頂には、明日の朝も来るつもりです。
その時にはまた違った眺めになっているに違いない。

山頂を下りて小屋に戻ったらお腹が減ってきました。
小屋で扱っている食べ物はカップ麺だけみたい。カップ麺って気分ではないなあ。
ザックをかき回してみましたが、多めに持ってきたつもりのパンは既に食べつくし、非常食類を見てみたらどれも消費期限が切れていました。問題ないとは思うけどリスクを犯す場面ではない…夕食までガマンするか。

寝床に戻ったら、隣には熟年のご夫婦が入っていました。

シャツやらを替えて自分も布団に寝転がります。
携帯のアンテナは寝床でも立っていました。

高所についてからすぐに安静状態に入ってしまうと、呼吸量が落ちて高山病になりやすくなります。
意識して呼吸を深くしなければ。
急に起きて棚からザックを下ろしたりすると、くらくらしてきます。
身体を起こす前に深呼吸をするのがいいと、去年富士山で聞きました。
頭も少し痛いですが、気分が悪くなるほどではない。今シーズンは燕岳や木曽駒も行ってるしね。

 

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夕食は2周。自分は1回目の17時からでした。
同じ卓には4人、若めのご夫婦と単独男性。
見知らぬ同士ではありますが、山と自然と景色が好きで来ている同士、話が弾みます。
ご夫婦は自分と同じバスで来たっぽい。
自分よりもやや前を歩いていたらしく、同じライチョウにも出会っていました。
「エーデルワイスは見ました?」
ウスユキソウ!見なかった!だいたいの場所を聞いて、帰りに探したいと思います。

 

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食後、表に出ると、ガスで真っ白になっていました。
午後から天気は悪くなる予報だったしなあ。

血流とエネルギーが消化器系に使われる時間帯なので、高山病対策を兼ねて、表でガスの流れを眺めたり携帯をいじったりして過ごします。

 

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消灯は19時半。
まあだいたいみんな早めに寝ます。疲れてるし翌朝は早いし。
ご来光時刻は5時前。
4時前に山頂に向かえばちょうどいいという話です。
天気予報的には朝には晴れを期待してもよさそう。

が、自分はご来光を見に行くのは今回優先順位をひとつ下げています。
今夜は、ペルセウス座流星群の極大日。
狙ったわけではないのですが、予約後に気がつきました。
天気は、夜半過ぎから晴れだしてくる予報。その頃には月も沈んで空は暗くなっています。
流星群は夜明け前がいちばん多く流れます。
つまり、夜1~2時ごろから薄明が始まる3時半くらいまでの間が狙い目。

 

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1時ごろ起きました。もうがまんできない。表に出ます。
おわ、星がすごい見える!

流星もひゅんひゅん流れています。
適当に方向を決めて連写したら、ど真ん中に流星が写りました。こんなに写ったのは初めてだ。
右側のひよひよはたぶん人工衛星です。こんな明滅するやつがいるのか。くるくる回ってるんだと思う。

 

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これも人工衛星。4枚の写真で120秒間の光跡を重ね合わせたもの。
光跡の真ん中の光は、衛星のパネルだかが光をきらっと反射したもののようです。
すぐ右側の明るい星ははくちょう座のデネブ。
このフラッシュは目視もしていて、その時は静止流星か、それにしては変な場所だと思っていました。
光跡の左上寄りでも1回、小さめのフラッシュが起きています。

 

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カメラの向きを決めるための試し撮りに写った一枚。
試しなので無理やりな高感度設定を使っており、絵は荒れていますが流星も明るく写っています。

撮っている間、自分はずっと上を見上げているのですが、かなりの数の流星が流れていました。
多いときには、数秒間に続けて数個流れるということも何度もありました。
上の写真も、この画角の中に8秒間の露光で2個流れていますし。
2001年のしし座流星群に迫る見ごたえです。
あの時は平日に家の前で見ていましたが、今回は都会から遠く離れた3000mの山の上で、カメラも持ち込んでの観望。

流星群は毎年やってきますが、大きなものは真冬に多く、また満月で空が見えなかったり、もしくは天気が悪かったりで、毎回うまく見られるものではありません。
この日にここで流星を見ることができるのは、かなり貴重なチャンスなわけです。

 

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薄明の始まる3時半を過ぎても、寒さに震えながらまだ見続けていました。
小屋の発電機が回りだして明かりが点き、ご来光を見に行く登山者たちが表に出てきます。
流星が撮れたのがうれしくて、三脚を立てだしたおじさん2人組のところに見せに行ってしまいました。

空も白んできました。
今日はこの辺にして、寝床で朝食まで休むことにしましょう。

 

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朝。雲海です。
お腹が減ったのでとっととごはんをいただきます。おかわりしました。
ご来光を見に行っていた人たちもぼちぼちと下りてきました。
朝食は6時ごろまでは待っててくれるとのこと。

 

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天気いいなー。
山の景色はやっぱり朝がいちばんです。
今日は特に急がないのでゆっくりしようかとも思ってたのですが、この朝の景色のうちに行こう。
お茶を1本買って身支度を整え、出発です。

 

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再び仙丈ケ岳山頂。
雲海の上に北岳と間ノ岳。富士山は、中腹がかすかに見える程度でてっぺんは霞の中。

 

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大仙丈ケ岳方面。
大仙丈沢カールに満ちる雲がかっこいい。
これ、地形か太陽の位置がもう少しよければ、ブロッケン現象が出そう。
ここに来るまでに不完全ながらも虹色のリングが見えたし。

 

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出た!ブロッケン現象!
山頂から少し下りたところで、藪沢カールにも雲が上がってきて、そこに影が映りました。
やっぱり早めに出発してよかった。

 

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来た道と合流して、小仙丈尾根を下っていきます。
登ってきた人とのすれ違いであいさつしたりちょっとした会話をしたり。
この辺の岩場の下りは間違いやすい。すれ違った人も間違っていました。間違えても別に問題はないのですがちょっと歩きにくくなる。

 

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ヤマハハコ。
ウスユキソウは見つからなかった。脳内BGMがエーデルワイス。

このペースなら、朝のバスに乗れそうです。
時間がたつにつれ混んでくるだろうし、あのバスに立ち乗りなんて勘弁。

 

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昨日ライチョウを見た場所に近くに、羽根が何枚か落ちていました。
これ、ライチョウの羽根じゃない?

ライチョウは、現在日本にたったの3000羽しかいないそうです。
南アルプスには700羽。
中央アルプスでは、駒ヶ岳ロープウェイの開通後に(ヒトが残していく食べ物目当てで登ってきた下界の動物によって)絶滅したようです。
なんとか元気に増えていって欲しいです。

 

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上から見たら、なんで新鮮なトマトがこんなところにって思った。

昨日登ってきた道ということもありますが、下るのにさほど神経も使わずさくさく下れるし、いい道だなー。

 

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下り道は、山頂を除いてだいたいガスがかかっていました。
こういう雰囲気の樹林帯の道もいいね。
登ってくる人たちは「上では景色は見えましたか?」と気がかりのようです。

バスには、ぎりぎり最後の一人で座ることができました。あぶない。
そしてお腹減った。(新しいゼリー飲料がザックの底に紛れ込んでいるのを見落としてる)
事前の装備のチェックはちゃんとしておかないとね。

 

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ちょうどいい時間に特急があったので、売店でサンドイッチをひとつ買って飛び乗りました。

初めての南アルプス、初心者向けというイメージが頭にあったのですが、登りではけっこうきつかった。
でも天気はよくて、ライチョウに会えたり、流星群がすごくて写真にも撮れたり、ブロッケンが見えたり、下り道も楽しくて、 サービス満点でした。前日の夏祭りもよかった。

さてこれで、今のところ予定している夏山歩きは終わりました。
あまり続けて行くと疲れちゃうし、次は秋かな。秋といっても9月には秋になっちゃうけど。

 

 


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