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2500mのどんより尾根 硫黄岳・天狗岳(後編) [山歩き(小屋泊)]

標高2300mのオーレン小屋で、八ヶ岳の晩を迎えます。


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今回も月の暗い日を選んで来ています。
月っていうのは半月以下でもものすごく明るくて、星見としては町なかと大差なくなるほどです。
星撮り用のでかいレンズとミニ三脚、合わせて1kgほどをせっかくザックに入れて歩いてきたわけだし、星が見えたらいいなあ。




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同室になった方々と軽くおしゃべりしたりしているうちに、夕食の時間になりました。
オーレン小屋の夕食は、名物の桜鍋。
ひとりづつに鍋が出てきます。八ヶ岳の小屋は豪勢だなあ。
同席の皆さんは、険しい南八ヶ岳を縦走してきたり、これからそっちに向かう方々。
「白馬の小雪渓の高さが大丈夫なんだったら、たいてい大丈夫ですよ」いやいやあそこは短いじゃないですか!

その後は表で夕空を眺めたり携帯で本を読んだりして過ごします。
消灯は21時だったかそこらですが、20時ごろにはもうみんな寝ていました。
オーレン小屋は予約人数に余裕を持っているとのことで、ひとりあたり布団2枚分くらいのスペースが確保されていてゆったりです。
自分は窓際だったので、消灯後空を見上げると… 明るい星が見えてます。むむむ。


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時刻としては、天の川が昇ってきてから月が出てくるまでの、23時前後が見どころだと踏んでいました。
でももうがまんできない。時間を待ってたら曇ってしまうのもよくある話です。
枕元にあらかじめ用意しておいたカメラや防寒着を手に、表に出ました。

この小屋は、夜間も小さな照明が灯されています。小さくても星見の妨げになります。
小屋のWebページや張り紙にある通り、ちょっとだけ離れたテント場が星見にはいいようです。


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後から写真を見ると、低い高度を中心に、うす雲がかかっていたみたいですね。
時刻的にも、さそり座がやっと頭を覗かせるくらいで、天の川も南東の稜線に這っていて目立ちません。
もっと昇ってくるのを待っていたい気もしましたが、テント場でも皆さん休んでおられることですし、ほどほどで引き上げました。


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翌朝。
この日は早めに下山して正午近くのバスに乗れたらと見込んでいます。
朝食は5時半からなのですが、実際には朝早く歩きたい人のために、5時すぎには用意が整いました。
同室の方々と、それぞれの予定についておしゃべりしたりします。
「星は見えましたか?」はい!写真を見せびらかします。


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準備はほぼ済ませていたので、朝食後、すぐに出発します。お世話になりました!

歩き始めの道にも少しだけ残雪が。
1箇所、下り道で雪の上を歩かなければならない箇所がありました。
表面は土だし、ステップ状に足跡が刻まれているので、アイゼンなしでも問題はありませんでした。


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稜線に出ると、ほどなく根石岳の山頂です。
稜線上の、特に鞍部などは風がけっこう吹いていました。
時間的に人通りもまだ多くなく、ぱっとしない空模様で、寒ざむとした景色に見えます。
前方に立ち上がるのは天狗岳、東天狗。
こう見るとなかなかの痩せた尾根道です。


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振り返ると、鞍部からちょっと下がったところに根石山荘。
空は雲に覆われていても、遠くの山々は見えています。


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硫黄岳の爆裂火口を見渡すのにちょうどいい展望台ですね。


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さて、ひと休みして水を飲んだりしたら、先に進みましょう。
今日の行程では、東天狗への登りと、そこからの下りが鎖付きの岩場になっています。
大した難易度ではないにしても、気を抜かないようにしなくちゃ。


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岩稜の谷側はなかなかの切れ落ち方。
先行者もいますし、山頂から下ってくる子供混じりのグループにも勇気付けられます。


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お、これ図鑑で見たぞ。イワベンケイです。
岩場の途中で、右手側の壁に生えていました。
左手側は急斜面。
おっかなびっくり撮っておきます。


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足元はガレ気味で、浮いた石がカラコロ鳴ります。
黄色い支柱のところを右に登っていきます。


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山頂ももう間近。
鉄の桟橋が掛かっています。
妙にかしいでいますが、谷側には棒が立っているし、いちばん急な箇所はもう抜けました。


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ツガザクラ。
高山植物が咲きだす季節ですねえ。


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東天狗山頂!
ずっと向こうの蓼科山まで続く北八ヶ岳の峰々が連なっています。
眼下には黒百合ヒュッテの屋根。
目の前の大岩が天狗の鼻かな?

今からここを下ると思うと落ち着かない。風があるし。
数年前にも歩いた道です。とっとと行こう。


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そうそう稲子岳、変な形してるんだよね。傾いたテーブルがひっかかったみたいな。

急な岩場をよいしょよいしょと下って、ふと気がつくと傾斜の緩む分岐点。
あれ?鎖場じゃなかったっけここ。
もともと大した傾斜でもないので、鎖はなくなったのかしら、気がつかなかっただけかしら。
ともあれ難所は脱した… と思ったら、この先もけっこう岩がゴロゴロしてて、足元注意の道が続きました。


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中山峠から黒百合ヒュッテへ。
今度こそ本当に、気を使う箇所は終わった。
八ヶ岳名物のコケと朽木の森で記念撮影。


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数年ぶりの黒百合ヒュッテ。
まだ朝の8時ですが、スタッフのお姉さんに聞いてみたら、カフェはもうやってるとのこと。
ミネストローネのセットとコケモモティーでのんびりとおやつにしました。
バスの時間も問題なく間に合いそうですし。


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岩のゴロゴロした下り道。木や鉄の橋があちこちに渡してあります。
ここらも歩きにくそうだった記憶があるのですが、稜線上の道と比べれば全く歩きやすい。すたすた下りました。

あら?
昼前どころか、午前中のバスに間に合ってしまった。
自分は早く帰ってゆっくりするのが好きなので、一向に構いません。
茅野駅の近くでお風呂に入り、ごはんを食べてから、特急で町へと戻っていきました。



八ヶ岳いいなー、すごかったなー。
小屋も、お風呂やら鍋やらお茶やら、大変素敵でした。
北八ヶ岳側をまた歩くのもいいねー。

でもとりあえず次は、リラックスして歩ける身近なお山にしておこう。







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