けっこうしんどい飯能アルプス 大高山~天覧山 [山歩き(日帰り)]
今回は、飯能アルプスを歩いてきました。
飯能アルプスとされている天覧山から伊豆ヶ岳までのルートのうち、真ん中付近の大高山から出発して、飯能市街に近い天覧山までを歩く道です。
天覧山から多峯主(とうのす)山は、何度か歩いたことのある飯能のお手軽ハイキングルートです。
また伊豆ヶ岳から子ノ権現までも2回かそこら歩いたことがあります。大き目のアップダウンがいくつもあるきつい道で、他のルートとつなげるなんて自分にはとても無理。
大高山から飯能側はどうかというと、そちらも決して楽ではないようです。
ルート上の最高地点は、標高493mの大高山。
スタート地点の吾野駅が標高170mなので、登り標高差は323mに過ぎません。高尾山よりも小さい。
ですがこのルートの恐ろしさは、無数に連なる小ピークにあります。
登っては下りて登っては下りての繰り返しです。
地形図を見ても、小ピークを 表す閉じた等高線がルート上にはびっしりです。
地形図上で数えた限りでは、ルート全体での累積標高差は、登り1170m、下り1240m。(ざっとなので間違ってるかも)
等高線として表れない標高差10m以内の分を考えれば、実際の標高差はこれよりもずっと増えるはず。
歩行距離は、地図を見たところでは13~4kmくらい。
標準コースタイムは6時間50分。
標高差1000m、歩行距離11km、コースタイム6時間を超えると自分的には大変なルートという印象があるので、低山と言えどもとてもあなどることはできません。
吾野駅から出発します。
ロングコースなのと、天気予報が直前になって午後の雨を出してきたのとで、なるたけ早い時間にしています。
予想最高気温は平地で30℃くらい。真夏に比べればそうひどくはないとは言え、水は多めに持っておきます。
6時間クラスなら2Lプラスアルファが自分の目安なので、今回は2.5Lプラスアルファで。
いざとなったら後半、多峯主山に登る前に脇にそれればコンビニがあります。
線路沿いの低山なので、ルートのあちこちから容易に駅や人里に抜け出せるのは便利です。
駅前から歩行者用のトンネルをくぐって反対側へ。
これ、予習してこなかったらわからなかったかも。
もうちょっと短いルートにしようかなと最初は検討を始めたのですが、いろんな方のレポにきついきついと書いてあるのを見て、ちょっとわくわくしてきました。
梅雨の間に足慣らしをするにはちょうどいいんじゃないのかな。
さすがに、大高山~子ノ権現の破線ルート(悪路)まで伸ばす気は全く起きませんでしたが。
スジグロシロチョウ。
この先ひたすら樹林の中の尾根道で、特にお花とかもない地味な写真ばかりになります。
出発時に駅でトイレを借りたのですが、どうもいまいち。
今日は距離も長いし、終盤まではトイレもありません。
これはついに携帯トイレの出番が来るかと思って歩き出したのですが、登山口前のお寺のトイレでもうちょっとがんばったら何とかなりました。
登山道を登りだします。
大きな登りとしては、最初の大高山までがいちばんまとまった登りになります。
がんばるぞー。
尾根に出る手前あたりで、猟銃を持ったハンターの方に出くわしました。
この早い時間にもう上から下りてくるのを見て最初びびった。
こんにちわー。
すれ違ったあと、無線で連絡を取り合いながら沢を林道のほうへと下っていっていました。
すぐに後ろのほうから、ぼうーんっと銃声が数発轟きます。飯能こわい。
なんだろう。イノシシとか?
尾根のメインルートを進みます。
細かい分岐もちらほら。
ここは尾根上ではなく巻く道のほうがメインなのですね。尾根側には通せん棒がありますし。
なんだ、小ピーク、巻けるのもあるのか。(この後はほとんど巻けない)
いくつかの小ピークを登り、下り、その向こうには次の小ピークへの登りが見えています。
なるほど大変だこりゃ。
大高山山頂。
本日の最高地点とは言え、ルートとしてはまだまだです。先が思いやられる。
ベンチとかはないので、適当に座っておにぎりをひとつ食べます。
ここまでで1時間半。だいたいコースタイムの通りです。
次は天覚山まで、地図上では1時間35分。
やはり小刻みなアップダウンの多い区間です。
この大岩は、標識に従って左へ巻きます。標識がなかったら右へ行っちゃいそう。
水の消費が、思ったよりも多めになっています。
頭の中で配分を考えますが、無理して節約するものでもありませんし。
いくつもの偽ピークを越え、やっとこさ天覚山山頂です。1時間35分。
山頂は見晴らしがあり、この時期にしては意外なことにスカイツリーも見えました。
ベンチもいくつかあるので、中休止にします。
このあたりから、飯能側から来た人とすれ違いだしました。
「吾野からですか?お気をつけて!」
「ザックのてるてる坊主、同じの持ってますよ、ほら!」
こちらはと言えば、小ピークの急な登りでひーひー言ってるので、簡単な返事で笑い返すだけです。
次は、久須美坂まで1時間35分。
まただー。登って下りて登って下りて。
ひとつひとつは高低差10mか20mくらいですが、わりと急で斜面をまっすぐ登らされ、下りでは土の湿った道をやはりまっすぐ、太ももで踏ん張りながらの下りになります。脚への負荷が大きい。
ルートの中盤は、ゴルフ場の脇を歩く長々とした区間です。
造成されたゴルフ場だから少しは歩きやすいのかというとそんなことは全くなく、依然として容赦のない小ピークのアップダウンの連続です。
どこかで休みたいのですが、いい場所がありません。
険しくはなくとも道は狭く、ザックを下ろして座れるような場所が見当たらない。
頭の中では、ついつい水の消費計画を考えてしまいます。
ダンシング道標。久須美坂。1時間50分かかりました。
ここも単なる分岐点でしかなく、なかなか気分にメリハリがつきません。
次のチェックポイントは多峯主山、コースタイム1時間半。
市街地に近づいていくので、この先は地形的に少しはマシになったらいいなあ。
脚が攣りそうなので、芍薬甘草湯を服用。
ミネラルの補充に、干し梅、電解質タブレット、塩飴なども口にします。
そう言えばあまり汗をかいてない気が。
たいして暑くないということもありますが、熱中症にも気をつけなければ。
定期的に水を飲むようにします。
ここまで来ると、甘いスポーツドリンクよりも水のほうがいいかなあ。次からは持ってくる配分を変えてみよう。
途中、小さな祠がありました。
その脇の倒木になんとか座れそうです。
ザックを下ろし、オレンジのシロップ漬けとVAAMの粉末で水分とエネルギーを補充。
ザトウムシが何匹も周りをうろちょろしていますが仕方ない。
置いたザックのすぐ脇にたたずんでいた1匹が、ザックを持ち上げようとした時には見当たらなくなっていました。どこへ行った。
見晴らしはほとんどない樹林の中のコースでも、たまに視界が開けることがあります。
あの太陽電池パネルは、以前龍崖山まわりを歩いた時に通ったやつだな。
知っている場所に近づいてきました。
予定通り多峯主山へと直行するか、寄り道してコンビニに行くか。
手持ち物資はまあ足りそうな気がしてきました。
多峯主山といえば市街の近くのお手軽山で、何度か登っています。
そこから先は、もうゴールしたも同然…かな?
多峯主山の登山口からぐーっと登ったあと、今度はどーんと下ろされました。どこまで下るんだ。登るんじゃないのか。
これまでの小刻みなアップダウンとは違い、まとまった量の登り下りです。消耗した現状にはなかなかしんどい。
下りきると、また大きな登りが当然始まります。ストックに両手でしがみつきながら登ります。
これは今まで知っていた気楽な多峯主山じゃない。ちょっと本気を出した多峯主山です。
ふーふー。
おやトイレだ。最近多峯主山にできた、新しいトイレです。ここにできたのか。
ありがたく使わせてもらいます。
ここからもうちょっと登ると山頂です。1時間50分かかりました。まあ仕方ない。
大勢のハイカーや家族連れが過ごしています。
自分も岩の上にどっこいしょと腰を下ろして休憩。
最後の行程に備えて、取って置きのエナジージェルも投入です。あとちょっと、もうひとがんばり。
休んでいると、上空の暗い雲からぽつりぽつりと雨が落ちてきました。
山頂の人たちがそそくさと下山を開始します。自分も歩き出そう。
降りだすのが思ったより早い。すぐに止むのかこのまま続くのか。
山頂直下では荷物を下ろしてかっぱをつけているグループもいました。自分はちょっと様子見。
空を見上げながら道を歩いてると、すれ違う地元らしきおじさんに「降ってきちゃいましたねえ」と話しかけられます。
「はい、あとちょっとなのですが…」
道を歩く分には、木々が雨から守ってくれています。
天覧山まで行けばもう町なかと言っていいでしょう。
天覧山!やっと!ついた!歩きとおせた!
山頂に着いたとたん、また雨脚が強まってきました。
もうここまでくれば、傘だってさせます。
10分下りればコンビニなので、さっさと下りてしまいましょう。
最後の水を飲み干し、新しい冷たい水を求めて例のコンビニへ。
はーやれやれ、歩いた歩いた。休憩込みで8時間の行程でした。
駅まではまだ20分ほど歩きますが、あとはもう寄り道しながらなので。
すーさんの洋菓子屋さんで夢馬くんクッキーを買い、かえでさんちでカレー南蛮をいただきます。
お団子屋さんにも吸い込まれそうになりましたがちょっとこらえました。
ひなたさんちの登山用品を覗こうとしたら今日はお休み。山に行ってるのかな。
続いてもう1件の登山屋さんへ。
以前から気になっていた、飯能アルプスTシャツを買いました。
今日はこのためにこのルートを歩いたと言っても過言ではない。
飯能アルプスは、聞いていた通り、額面上の標高差などとは全くかけ離れた、がっつり歩く道でした。
歩き慣らしの状態にもよりますが、気分的には伊豆ヶ岳~子ノ権現よりもきつかった気がします。
まあこれだけ歩ければ、自分が行く範囲のルートは大概大丈夫でしょう。
もう2回ばかりどこかを歩いて、夏山へ備えられたらと思います。
夏はどこに行こうかなー?
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