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木曽駒ケ岳と、宝剣岳の怖い鎖場 [山歩き(日帰り)]

今回は中央アルプス、木曽駒ケ岳に行ってきました。

木曽駒は5年ぶり2回目。見直してみたら前の時のが自分のアルプスデビューでした。
その時は山小屋泊で、星空を堪能しました。

今週は本当は別の山に行けたらと狙っていたのですが、都合が外れてそっちは別の日に。
そう言えば、夜行バスを使えば木曽駒って日帰りできるね。日帰りにするにはもったいない気もするけど、今は欲張らないでおこう。

 

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木曽駒と言えば、すぐ隣に目立つのが宝剣岳。
岩場の険しい難所ですが観光地にすぐ隣接しているため、充分な技術を持たずに登る観光客が後を絶たないとか。
事故もしばしば起きているとのこと。

ただ難所と言っても、山を登る人からはどうということはないとの声も聞きます。
ガイドブックにも、観光客も通るので譲り合って通過しようくらいの書き方。
確かに鎖も張られていて、写真からすると足場もさほど悪くなさそうです。
特に山頂の南側に比べれば北側の道はぐっと難度が下がるそうな。
実際のところ、どのくらいの鎖場なの?
行ってみたら大したことないんじゃないの?

ってんで、行ってみることにしました。
いちばん険しいのが岩壁をトラバース(急斜面を横切る移動)する箇所で、そこがどうにも無理そうだったら引き返そう。

 

 

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バスは朝4時ごろに菅の台バスセンターに到着。
同じバスの人たちがさっそくバス乗り場に列を作ります。始発は5時過ぎ。
4時半にはチケット売り場が開いたので、バスとロープウェイの往復チケットを買います。
バスも始発の前に臨時便が出て、ロープウェイには始発の9分後の第二便に乗れました。
ロープウェイでどれだけ待つかでその後の時間の使い方が大きく変わりかねないのですが、順調です。

 

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ロープウェイを下りて建物から一歩出ると、千畳敷カールの大展望です。
とても写真に収まるスケールではありません。何という幸せ。
真ん中に突き立っているのが宝剣岳。
右手寄りに稜線が低くなっているのが乗越浄土(のっこしじょうど)で、右下から伸びる登山道で登り上げます。

ここは既に標高2600m。空気もひんやり。上にもう一枚重ね着します。
高度に身体を慣らすべくのんびりしてから出発するのが無難ではありますが、今日はあまりゆっくりしないほうがよさそう。
この景色を見ながら持ってきたおにぎりを2つ食べ、準備運動をして出発します。
同じくらいの標高の燕岳で前回一泊してるし、今日は宿泊はせず5時間ほどの滞在だから、山酔いにはならない気がする。

 

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駒ヶ岳神社にお参りしてから歩き出します。
チングルマの綿毛やリンドウ、エゾシオガマなどの高山植物が道の左右でお出迎え。
虫も多いので、ハッカ油を服や帽子にプシュプシュスプレーしておきます。

 

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遊歩道の分岐点から八丁坂へ。ここから乗越浄土まではジグザグの急な登りです。
ここで服を脱いでシャツ1枚になりました。
着替えている間にも置いてあった荷物にみるみるアブがたかります。ひええ。バッグにもハッカ油をプシュっと。

 

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ふうふう。さほど暑くないのが助かります。
今日のルートはコースタイムで4時間ほど。なんやかんやで5時間と見ておくほうが近いでしょう。
出発が早かったので、長い休止を取らなければ12時ごろに戻ってくることになります。
予報によると、昼過ぎからはこのあたりに強い雨がかかる可能性があり。
千畳敷駅のアナウンスでも、午後には雷雨が予想されており、その場合ロープウェイが運休することがあるとのこと。
それでなくても昼には下りロープウェイの整理券配布が始まって1時間2時間の待ちになるとか。
不必要にのんびりしないほうが得策のようです。

 

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ひいはあ。
振り返ると眼下には千畳敷駅の赤い建物と絵のようなカール(椀状の谷)の景色。
下界には雲海が広がっており、遠くには南アルプスの山々が連なっています。これはたまらない。

 

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乗越浄土。ふひゅー。気持ちのいい広場です。
稜線上は風が若干あるので、ウインドブレーカーを羽織りました。
山小屋が近くに2軒あり、飲み物の補充にも困りません。
自分の手持ちはまだ十分にあるので、ひと休みしてから先に進みます。

 

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目指すは宝剣岳。
ちょうど人がてっぺんの岩に登ろうとしているところです。
自分は山頂に行けたとしてもあの岩は無理。正気の沙汰じゃない。

途中のちょっと広い場所に、ザックとストックを置いていきます。
水とアメを入れたウエストポーチとカメラだけを持って、いざ宝剣岳へ。どんなかなー、行けるかなー。

 

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うっふっふ。
とりあえず登りではこんなもんだろう。
話に聞いたトラバースは山頂の直前にありました。
ここは、登りとは言っても足場が絶壁を一段下りたところにあって冷や冷やします。本当にここに足を下ろしていいのか。
まあ鎖が張られた位置からしてもそれしかないし、足場は比較的しっかりしてはいるのですが。

 

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宝剣岳山頂、到着。
狭い山頂に人がたくさん。まともに入れ違うこともできません。
行けるところまで行って、岩の間の小さな祠をひと目拝んで、退散することにします。
岩場で怖いのは登りよりも下りだ。気をつけていこう。
ひとつ前のグループが南側に下山を開始しようとして岩場に怯んでいるところを別の人に呼び止められていました。
「あなたたちが来たのはこっちからでしょう」「でも岩に丸印がついてる」「そっちは違うほうへ行く道」
南側は北側よりもさらに恐ろしい道なのです。

 

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前のグループが通過し終わるのを待ってから自分もトラバースを進みます。
下は見ないで、ただ足場と手のホールドと道の先だけを見て、怖がらずに行くしかありません。
来る前は、どう怖いのかをうまく現した写真が撮れたらとか考えていましたが、それどころではない。
まあこの箇所はおっかないだけで、さほど困る箇所ではありません。来る時に一度通ったし。

この先の、岩を下る鎖場で、足の置き場がわからずにまごついてしまいました。ほんとにここでいいのか。
向こうから登ってきたおじさんが、下から足の置き場を指示してくれました。岩の途中の、つま先がかかるだけの浅いへこみです。鎖をしっかりつかんで足を置きます。

 

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だー、生きて還った(大げさ)
小屋の脇でひと休み。お菓子やらゼリー飲料やらチーズやらで祝杯をあげます。
ここからは稜線を行くのでサングラスを使います。
写真を撮る時には跳ね上げて実際の明るさを確認できるのが便利。

木曽駒ケ岳の山頂との間にある中岳を越えると、眼下に山小屋とテント場が見下ろせます。
前に来たときはあそこに泊まりました。
今日の行程としては、予測よりもやや早めに来ていますし、天気もまだ問題ありません。
予定通り山頂を目指します。

 

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トウヤクリンドウ。
気品のある色が好き。
まわりのイワツメクサがきらきら飾っているみたいです。

 

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小屋まで下って、これから最後の登りです。
標高も3000m近いので息が切れます。ひーふー。
でもこのあたりにもいろいろお花が咲いているので、見落とさないようにきょろきょろ歩きます。

 

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コマクサ。
燕岳のとかよりも色が濃い。燕岳のやつが色が薄いのかな?

 

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コマウスユキソウ。もふもふ。
花の時期もそろそろ終わりにかかっていますが、見れてよかった。

 

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山頂ー!
背後には御嶽山の整った山容が間近に見えています。
お社にお参りしてから岩に座ってひと休み。
持ってきたパンやらをいただいて、飲み干した水2本をザックの中のもう2本と入れ替えます。
いい天気だなあ。
双眼鏡でぐるっと見回すと、彼方には槍・穂高連峰の姿も。
御嶽山からはときどき白い噴煙が上がっているようです。

ここまで来れば、戻りは1時間半程度。
道は混むでしょうが、余裕を持って下れます。

 

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てんで下山。
剣ヶ池からはカール地形を正面から見る形になってまた迫力。
この頃になると下からは雲が湧き上がり出してきていました。早めで良かった。

ロープウェイは整理券を配布するほどにはまだなっていませんでした。
レストランで何か軽く食べようかとも思いましたが、お腹も減ってないし、混雑のことを考えて今のうちに下りることに。
バスの中では眠さのあまり、すごくかっくんかっくんしてしまいました。

 

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天気が良くてよかったなあ。
あと宝剣怖かった。いっかい往復したからもう通り方はわかったけど、それと怖いのとは別だからなあ。次来たときにもまた登るかどうかは気分次第。これでも世の岩場鎖場としては特に高難度というわけでもないから恐ろしい。

次に行くお山には鎖はないよ!たしか。

 

 


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コメント 2

JUN

宝剣岳の頂上先っぽの撮影ポイントは座布団一枚くらいしかないからバランス取るのに大変なんですよねww
私はそこで片足でシェーのポーズしてましたww
by JUN (2016-08-13 10:09) 

ひさみね

ぜったい無理ー!
登れるかもしれませんが下りられません!
下が平らだったらいいのですが
by ひさみね (2016-08-14 20:43) 

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