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甲府夏祭りと仙丈ケ岳(前編) [山歩き(小屋泊)]

今回は南アルプスの仙丈ケ岳に行ってきました。

仙丈ケ岳は標高3033m。
優美な山容と高山植物の賑やかさから、南アルプスの女王とも呼ばれています。(北アルプスの女王はこないだも行った燕岳)
険しい箇所も極端な急坂もなく、南アルプスの入門としても人気の山です。

自分も数年前に、緑と白のカール(圏谷)を抱いた稜線の写真を見て以来、来ようとずっと思っていました。

 

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アクセスがどんなだったか、今年もふと調べてみたところ、甲府に前泊すれば早朝の路線バスに乗れることがわかりました。甲府なら宿には困らないし、夜行バスで行くよりもずっと楽だ。
山小屋に電話をしてみたら、狙っていた日が満員でした。
仕方ない。しばらく考え込んでから休暇を投入することに。
「混んでますよ?」「止むを得ません。お願いします」
比較的規模の小さい小屋ですが、満員を断る以上は地獄の混雑にはなりますまい。

 

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と言うわけで前日午後に甲府入り。
特に観光もチェックしてないし暑い中歩きたくもないので、近くでほうとうでも食べてから早めに寝ることにします。
あつあつでボリュームたっぷりのほうとうを食べ終わって、宿に戻る前にお城を見てこようと行ってみたら、夏祭りをやっているところでした。
しまった、お腹いっぱいで、もう何も食べられない。
ビール1杯くらいならと出店で買うと、和装なら100円引きのところ、どう見ても山Tシャツの自分にも値引きしてくれました。

 

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お祭りの出し物、炎と光のパフォーマンスがすごかった。
人が多くてちょっとしか見えませんでしたけど、カメラを頭の上に差し出して何とか撮ります。
予想外に甲府を堪能してしまった。
明日朝はとても早いので、宿で汗を流してすぐに寝ないと。

 

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始発のバスは朝4時半。
かなり混むと聞いているので4時前に行ったら、もうザックの列ができていました。
その後も列はどんどん伸びて、バス3台でも立ち乗りが出るまでに。
山道を2時間揺られるので、座れてよかった。
そして係員のおばちゃんが、バスの走行中、人とザックで混む車内を回ってチケットを切っているのですが、このおばちゃんがいちばんすごいと思った。

 

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2時間後、広河原でバスを乗り換えます。
眠い。長いバス移動に備えて今回酔い止めを使ってみたのですがそのせいか。これはダメだ。効きすぎだ。

 

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30分ほどで、登山口の北沢峠に着きました。
空気がひんやり。標高2000mです。
この時間だと日帰りで往復する人も多いのですが、自分は上で一泊。
のんびり行こう。
買ってきたおにぎりを食べてから出発します。

 

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最初のうちはコケの樹林帯を進みます。
道はとてもよく踏まれており、歩くのに気は使いません。

 

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ふうふう。
ここでももう標高が高いので、登りでは息が乱れやすくなります。

今回の天気予報は、行動中は概ね晴れ。
午後遅くから夜半までは天気が悪くなります。
明日はまた大丈夫。
できたら夜も晴れて欲しいな。

 

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振り返ると、お隣の甲斐駒ケ岳の姿です。
遠くから見ても目立つ三角のお山ですが、近くから見ると荒々しい岩肌がかっこいい。
この後、雲に隠れてしまったのが残念です。

 

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森林限界を超えました。
まだまだ先は長い。ふうふう。

このルートは、道中ちょっとした分岐や行き止まりにも、道を示すマルやバツのマークが岩に書かれています。
やけに丁寧だなーと思ったけど、上のほうの岩場とかではけっこう助かりました。
天気が悪かったりするとさらに重要性が増しそうです。

 

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ひいふう登っていると、見上げた視線の先にライチョウがいました。
ライチョウ…ライチョウだ!
登山道の脇で、ハイマツだかシャクナゲだかを突っついています。
おどかさないようにそろそろと登って近寄ります。
オスが1羽。オスってヒナが生まれたあとは子育てはしないんですって。

ライチョウ、去年までは1回しか見たことがなかったのに、今シーズンはこれで2回も見ることができました。うれしい。

 

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仙丈ケ岳の手前のピーク、小仙丈ケ岳です。
山腹をスプーンでえぐったような圏谷、小仙丈沢カールの丸みが美しい。
仙丈ケ岳の山頂は、見えている稜線の少し向こうになります。

ここでは子供の団体がお弁当を食べていました。
自分も持ってきたパンで昼食にします。

コースタイム上はあと1時間くらいなのですが…

 

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トウヤクリンドウ。
高山植物で知られる山ではありますが、今年は花の季節が早く、もう秋に入りつつある感じです。
チングルマは果穂になり、ゴゼンタチバナもほぼ終わり。

おっと、ストックの使用は道へのダメージが大きいとも言われるので、ここからはストックはザックにしまいました。

 

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稜線上は、小さなアップダウンがいくらかあります。
ちょっとした岩場も増えて、こちらからだと岩場を下る場所が何箇所かあります。
岩にペイントされたマークを見落としたのか、気がついたら登山道から外れて岩の踏み跡を苦労して追っていることが何度かありました。

 

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中央は北岳、右は間ノ岳、左には雲の上に富士山が頭を覗かせています。
日本の高峰一位二位三位が並んでいる形です。

今回のルートは標高差は1000m、累積標高差は1200m。コースタイムは山頂まで4時間程度。
数字の額面上は、低山の片道分や、燕岳の登りと同じくらいです。
が、標高が高いせいで息が苦しい。がんばって酸素を取り込みます。
いくら数字上は可能でも、これでは自分には日帰りなんてとても無理だし、片道だけでも余裕かと言えばむしろ息絶え絶えだ。

 

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ひいはあぜえはあ。小屋への分岐に着きました。
山頂まではあとひと息ですが… 今の天気が続いているうちに山頂に行くべきか…
先に小屋に向かうことにしました。
不要な重量物を置いて、ひと息入れてから山頂に行くことにしよう。

 

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仙丈小屋です。
時間がやや早めということもあって、寝床は壁沿いを頂けました。ありがたや。

今年の雪不足のせいで水場は涸れており、小屋では最低限の湯冷ましが使える他は、ペットボトルの水もない状態でした。(お茶とスポーツドリンクはあります。)
自分には幸いまだ開けてない水が1本あるので、それは翌日用に取っておくことにします。水は飲用以外にも使い道があるので。

 

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寝床に、着替え、ストック、星撮り道具など不要物を置いて、山頂に向かいます。
サングラスを装着。紫外線の眼へのダメージは、年月で蓄積していくのだと聞きました。

山頂まで、ここからは30~40分程度の登りです。

 

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天気はまずまず。
雲が盛大に湧き出していますが、風もさほど強くはなく、暑くもなく。
はあはあふうふう。

 

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荷物が減ってもやっぱり楽じゃない。標高の高さを感じるなあ。がんばれがんばれ。
あとちょっとです。


 

 


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